2011年8月16日火曜日

GoogleとApple

ここのところ、音活の方に熱心でこちらの更新をしていませんでしたが、昨日Googleがモトローラ・モビリティを買収というどえらいニュースが舞い込んできましたので少しだけ考察しました。
今回の買収は総額125億ドルを投じて行われると発表されていて、Googleがサービスやソフトウェアだけでなくついにハードウェアの世界に進出してくると業界は騒然としているようです。そして、このGoogleの動きは、明らかにAppleを意識していると言われています。
確かにGoogleとAppleは比較対照的に取り扱われることが多いようです。しかしながら、両者には圧倒的な違いがあると認識しています。私は以下のように思っています。
  • Appleは帝国
  • Googleは合衆国
Appleは、スティーブ・ジョブズを頂点とした圧倒的にコンセプチュアルな集団を創りだそうとしています。MacやiPad/iPhoneに代表されるように、わかりやすく万人にも受け入れやすく、それでいて統制の取れたハードウェアやソフトウェアを一矢乱れぬ総合力で世の中に次々と投入していきます。そこにはカリスマであるスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションから始まる、少し宗教じみた熱狂を感じます。そして民衆は共産主義に飲み込まれていくようにAppleの虜になっていきます。
(Appleと比較するには少し違和感のある部分もありますが)対してGoogleは、色々なサービスを「ベータ」として世の中に投入していき、シンプルにスタートしたはずのサービスがいつの間にか高機能かつ生活に密着したサービスになっています。これは検索エンジン、Gmail、カレンダーやDocsなど全てのサービスに言えることです。
しかしながら、Googleのサービスは、残念ながらAppleのように統制が取れていません。それぞれのサービスが独自に進化しています。根っこの部分ではきちんとコンセプトを共有していると思いますが、例えばこのblogエンジンであるBloggerはGoogleの買収されたサービスですが、ほかのサービスと使い勝手が異なるし、言われなければGoogleのサービスだとわかりません。Appleにはそういうことがありません。

どちらがいいとか悪いとか、そういうことは言うつもりはありませんが、どちらもリスクがあったり、反対に戦略的なものがあると思いますし、私レベルなんかでは到底想像もつかないレベルでの戦略がありそれぞれの内外の攻防戦が繰り広げられているのだと思います。そして、そんなことを考えると少しワクワクしてきますし、生きているうちにある程度の決着が見たいと思います。企業論や組織論を語る上でこの2企業+MSというのは非常に面白い題材になると思っています。
話はそれましたが、帝国のAppleと合衆国のGoogleの切磋琢磨は世の中にとって素晴らしいものを産み出してくれると思っています。人間の英知の結集や努力の結果がもたらすのは人間の幸せだと思うので、歓迎したいしこれからも注目していこうと思います。
それにしても125億の買収って・・・ww