2011年9月10日土曜日

第4回 クラウドごった煮

第4回 クラウドごった煮に参加してきました。まずはじめに、今年の中旬あたりからAWSに興味を持った結果、この界隈の方々と話をさせてもらったりしましたが、皆さん相変わらずいい意味で肩の力の抜けたゆるい雰囲気でやられてますね。そして、皆さんしゃべるのが異様にうまいです。どうすればああいう風に人前で話せるようになるのでしょうか。見習いたいけど見習えない。

さて、今回は海外クラウドの最新動向と国産クラウド事情ということで、一般的に「クラウド」というキーワードでHITするベンダーの中の皆さまが、LT形式で次々とプレゼンしていくといった内容でした。普段は皆さん競合する相手ということで非常にエキサイティングかつ濃密な時間だったと思います。以下で全てのツイートがトゥギャられてますので、お時間のある方は追っかけてみてはいかがでしょうか。
20110909_第4回クラウドごった煮(#cloudmix )

個人的にいくつか気になった点
海外クラウド最新動向
■AWS関連
  • 新リージョン:AWS GovCloud(政府機関向けリージョン)がUSで開始
  • AWS Direct Connect(所謂専用線サービス)がUSでスタート。日本での数ヶ月以内にサービスインの見込み
  • Eclipseに続きVisual Studio向けのToolkitを提供開始
■GAE関連
  • 課金体系が変更されたことについて詳細を話していました。
  • 要するに、ちゃんとやればそれほど高くないよ、と。
■Windows Azure関連
  • 他サービス(たとえばAWSと)VPN接続可能に
  • オンプレ連携を意識している
  • Azure SDK for スマートフォン
  • 多言語で利用可能(RubyやErlangも!)

クラウドのコミュニティ事情
ここで話されていたJAZUGの安東さんの話は非常に興味深かったです。IT系女子会の存在自体は聞いていたのですが、実際どのような経緯でどうのように活動しているかというの聞いて、ピュアなガールたちが真摯に技術に取り組もうという姿勢が見えてよかったです。こういう部分は我々の業界でも男女問わず見習うべきだと思うのですが、果たしてそれほどの熱意を持った若者がいるかどうかは不明です。UST貼っておきます。



Video streaming by Ustream

国産クラウド動向
■BIGLOBE
  • キーワードは「日本品質」
  • セキュリティへのこだわりを感じる
  • 逆に言うと価格メリットが出せないのを「セキュリティ」でごまかしている?
■IDCフロンティア
  • 世界標準、ここでも日本品質
  • CloudStackを利用した他サービスとの親和性の高いクラウド
■IIJ
  • 現在月間売上1.8億円
  • 1社平均月間45万円
  • 会社紹介長すぎて時間足りず
■GMO
  • オートスケールアップ、アウト
  • 月額950円から
■さくら
  • まだ出ていない
  • 性能、安定性、機能、拡張性にこだわった普通のクラウド
■NIFTY
  • 導入実績900社超
  • VPN、FWリリース
  • 送受信10TBまでは無料
  • SDK for Ruby
  • Oracle使えます!!

といった感じでそれぞれのピーアールから特記事項だけ羅列させてもらいました。
このあとでパネルディスカッションだったのですが、そちらについてはUSTを貼り付けておくので興味がある方は見ておいてください。上の各社の発表も入っているので少しボリューム感がありますな。



Video streaming by Ustream

皆さんもツイートされていましたが、やぱり国産ではさくらインターネットの注目度が抜群でした。もちろんまだ出ていないので、田中社長が何を仕掛けてくるのかというのが気になっているんだと思いますが、彼のビジネススタンスもブレがなくてシンプルで非常にわかりやすいですね。
低付加価値にしてコストで勝負するという発想は、普通の経営者では踏み出せないではないでしょうか。そもそも経営者とはもっとギラギラとしていて何でも食ってやるぞ的な雰囲気を持っている方が多い気がしますが、彼の場合は所謂ユルフワ系の雰囲気でいい意味で肩の力が抜けている気がします。


雑感
弊社は、業務系アプリをASPサービスで提供する会社でして、10年前からインターネットを使ったサービス提供という形をとっていたため、当時は業界(主に物流)では割と先進的なことをシステムでやっている会社という位置づけだったようです。私もその頃入社しましたが、当時世間ではASPで業務系システムをやるというのは非常に抵抗が強く、やれインターネットが不安定だとかやれ帳票はきちんと出るのかとか現場では散々いじめられました。現場に行って2000枚の帳票をテスト的に出力して無駄になった紙の束抱えてドヤ顔してたこともありましたっけ。
それから、ご存知の通りブローバンドの普及によって回線に対する不安感は払拭されると同時に、ASPサービスは「SaaS」そして「クラウド」と名前を変えて、名前先行でここまで来ているわけです。弊社も都度サービスの名称を変えながら来ているわけで、これについては社内でも割と感情的にそのマーケティング方法に対しての議論もあるわけですが、営業的には、まあそれもありじゃねーか?と思っています。本来の「クラウド」という定義からは、われわれのサービスもずれているとは感じないからです。要は提供される側がどう受け止めるかということが重要だと思っています。
ただ、今回のイベントで出てきている各クラウド(IaaS)ベンダーや世間的な動向を知らずに「うちはクラウドサービスやってます!」と偉ぶるのは少し違うのかなーという気がしています。まず世の中の大きな流れやビジネススタイル、スタンスを把握した上で、弊社としてはどのような立場、スタンスで業界にアプローチしていくのかっていうのを明確にしておく必要があると思います。ということで、経営者や上役の方々は色々と忙しいと思いますので、現場にいる我々が勉強して正しい現状を社内外に伝えることが重要ですね。
それとまあ、われわれSaaSベンダーとしても、自社でハードウェア資産やネットワーク資産を持つ限界を感じていますから、これからこういったベンダーとまさにcloudmixしていくには何がベストかというのをより進んだ次元で考えていかないといけませんね。つうわけでなんか今度IIJの営業さんが来るみたい。

そういう意味だと今回のイベントは一度に多くの方の話を聞けましたので非常に有意義でした。というのも、私はほぼAWSオンリーしか注目していなかった質でしたので。

最後に国産ベンダーの皆様から出たAWSへの印象を一言で表すとってやつ、あれ少しひがみっぽくも聞こえてしまいましたが、海外、国内両方共是非ぶれないスタンスで良いサービスを提供して欲しいものですね。まとまりませんが、クラウド入り口から中の様子を覗いている非技術者の雑感でした。

後日追記:
第4回クラウドごった煮( #cloudmix )へ行ってきました
2011/09/09 #cloudmix 第4回クラウドごった煮にお邪魔してきました