2013年12月31日火曜日

2013年

あと2時間足らずで2013年が終わろうとしています。予想通りこのblogは、年初以来何も書かず終いだったわけですが、年の最後に今年一年について書き留めておこうと思います。あせってわざわざこの時間に書こうとしているのは、今からここに書く2013年の反省を次の新しい年に持ち越したくないという思いが強いからです。
具体的に何がどうとか書くつもりもないし、すぐにすべてをパッと思い出せるわけでもないんですが、2013年という一年を一文字で表すと「疲」でした。年明けの海外案件に始まり、社運と動かすような巨大提案を複数同時に抱え、その一方で担当していた案件が大赤字に陥り責任問題に発展するなど、常に何かに追い回されていた日々でした。思い出したくもないような日々を過ごしていた時期もあり、もう2度と同じようなことはしないと誓ったものです。
そのためには、まずひとつひとつの事象に対して集中力を持って取り組むことが重要だと思っています。複数の事象を抱えると、何から手を付けていいかわからなくなったり、面倒くさいことは後回しにしがちです。とかく面倒くさいことというのは、面倒くさい人が絡んでいることが多く、こういう事象に対して如何に強い気持ちで取り組むかというのも大事です。これが後回しの大きな要因のひとつなので、なんとかしないといけないですね。
うまくいかなかった事柄に対して、うまくいったこともあるのですが、総じて言うと気持ち的には後ろ向きなことが多かった一年のような気がします。ただし、少し成長できたかなというのも感じています。もう間もなく来る来年は、より前向きに過ごせるように尽力していこうと思っています。

最後に今年買ったものでテンションの上がったツールたちを載せておこうと思います。


  • モレスキン:Largeで日々の記録をしていました。
  • トラベラーズノート:メモ、手帳
  • つくしペンケース
  • LAMY 2000 4色ボールペン
  • LAMY Safari万年筆

良いお年を。

2013年1月2日水曜日

2013年の抱負

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昔、上司から一人ひとり年頭の抱負を言うように促されたときに、「私に付いて来てください」とかほざいたことがあって、今でも年頭になると恥ずかしく思い出します。しかし、それだけ仕事にもプライベートにも前向きだったのかなと思うと、ここのところの自分はどうなのだろうと反省しているのも確かですが、まあ、間違いなく同じようなことは言わないので自分、安心しろよ。

どこかのライフハック的な記事で見たのですが、目標を立てるときに、これをやるではなく、これをやらないという側面で立てるといいらしいです。ありました。
lifehacker:来年こそダメ人間を卒業したい人は「やらないことリスト」を作るべし
ライフハック的な記事を色々読んで実践してすげー人になれるんだったらやりますけど、基本的にはすげー人になってる人が少ないように思うのでやらないスタンスです。ただ、この記事に関しては面白いので、ちょっと実践してみてもいいかなと思います。とりあえず、いきなりたくさんリストしてもできるわけないので、年初ということでひとつだけ。

  • twitterに愚痴や悪口の類を書かない

人生変わります、はい。


最後に、昨年末に面白いサービスがサービスインしたので紹介しておきます。
Gunosy
自分のtwitter、FB、はてブのIDを登録しておくと、毎日その投稿やブクマの内容から嗜好を分析しておすすめ記事を送ってくれるサービスです。はっきり言ってすごいです。興味深いです。
「精度高すぎ」と話題のニュースキュレーション『Gunosy』は、どんな設計思想で作られているのか?
やってるの大学生です。歯が立ちません。


今年はちょっとはいい年にするぞ。

2012年12月24日月曜日

2012年に使った手帳

たまにこのサイトを開くと、あー年明けになんか下らないこと書いてそのまま月日が過ぎ去っているなぁと思っていたのですが、もう年の瀬なので限界ですし、ここ最近気になっていることやアウトプットしたいこともありますので、年末なので少し書こうと思っています。

サラリーマン風情にとって、手帳というのは非常に大事なもので、毎年11月ぐらいになるとLOFTやハンズの手帳コーナーでどれにするか小一時間悩んだりするのが恒例行事だったのですが、2012年はモレスキンの手帳を使ってみました。モレスキンの手帳にも色々ありますが、私が使ったのは見開きで一週間とノートになったソフトカバータイプのもので、2011年までつかっていたほかの手帳のデザインを踏襲したものとしました。


サイズ的には少し小さめですが、ポケットにも入るサイズなので非常に使い勝手は良かったです。あまり手書きでメモを取らない方なので、スペースもスケジュールとちょっとした備忘録が書き込めれば充分でした。ゴムで留めておくのも良かったです。ただ外見が地味なので、Appleのステッカーを貼っていました。あと、ペンを挟むスペースがどこにもないのが玉に瑕。ただ、全体的には飽きのこないデザインや使い勝手も含めてスタンダードになりそうな一品です。


結局2013年も同様にタイプの手帳にすることに。ただ、上に書いたデザイン的な不満を解消するために、専用カバーの導入を検討中です。



2012年1月4日水曜日

2012年 個人的展望

あけましておめでとうございます。
毎年、前のblogで年頭に3つの目標を立てていましたが、なんだか目標ではない年なんかもあったので、そういう形式はやめて今年は仕事始めの今日にここで色々な展望を書いてみたいと思います。とりあえず慣れない年始の挨拶回りなんかで神経使っていて早く寝たいので頑張って簡潔に要点だけ書きます。

  • クラウド一般化

既に昨年の段階で語り尽くされていたことかもしれませんが、クラウドというバズワードも一般化してきて実態も伴ってきました。特にamazonは既にPaaS事業者と言ってもいいくらいの姿勢で地位を確固たるものにしようとしているように感じます。ただ、昨年は石狩クラウドのさくらインターネットがビジネスをスタートしたので、国産クラウドも頑張ってほしいところです。
私は、所謂SaaS事業社と分類される企業に勤めているのですが、これからは我々のようなSaaS(ASP)事業社も、他社の展開するIaaS基盤を利用してビジネスを成立させていく方向にシフトチェンジすべきだと思っています。なので、我々もクラウド利用者となり、階層構造が多重になっていくのではないかと思っています。目指すところは、一般消費者に近い階層に近づくに従って、「システムを利用している」という感覚を無くしていくことだと思っています。これからはITツールがそこにあって当たり前のものになっていく時代であり、そのプラットフォームがクラウドになっていくのだと思います。とは言いつつも、我々の展開しているようなエンタープライズアプリケーションは、もう少し時間が必要かなとも思っています。理由は後述します。
クラウド一般化に必要なセキュリティやらの要素についての記述はここでは控えます。

  • エンタープライズアプリケーション岐路

一般消費者が日頃目にするツール、例えばSNSなんていうのは、ある程度成熟してきていると感じています。それは、使い勝手とか、ユーザーインターフェースからそのデータが格納される部分までのアーキテクチャ全体を含めてです。
しかしながら、エンタープライズアプリケーションは、これから岐路に立たされ、それについていけないパッケージなんかは淘汰されていくと思っています。詳しくはここで高井さんは書かれているので、もう何も書く必要がないのですが、要するにそういうことです。割愛しすぎ?まあ、私も高井さんの書いているのを見てハッとしてグッとした類なんで、要するに基幹系のシステムを長いことやってる会社は特にUIのところ、頑張れよってことです。これはうちの会社も含めて。なんか最近はUXとか言うらしいですが、私はあくまで「UI」です。これが前述したエンタープライズアプリケーションがまだ「システム」の枠を超えられないと思っている所以です。

  • エンジニアの多様化

昨年はamazonの玉川さんとか大谷さんと直接話をできたり、色々な著名エンジニアの方々の講演なんかも拝聴できました。その中で感じたのが、デキる方々は自らの仕事に一切セクショナリズムを持ち込まないということでした。それ、私のやることじゃない、とか、それはあの人の仕事とか、そういう発想が皆無です。とにかくできることはもちろんできないこともなんでもやってしまおう、どんな知識でも貪欲に吸収し続けてやろうっていうエネルギーに満ちていた気がしました。大谷さんなんかは、もともとソフトウェアエンジニアでしたのよね?なんで今amazonでインフラ売ってんのか若干理解に苦しみましたが、面白くて世の中のためになるからそういう場所に人が集まるんだと思います。そういう人たちにとって、プログラム言語がなんだとか、データベースはなんだとか、そんなこと意に介さないんでしょう(いいものは適材適所という意味で)。そして、こういうキーマンたちが業界を引っ張っていくことは間違いなく、私を含めた我々のような零細企業のメンバーも見習うべきだろうと思っています。


2011年は個人的にはどん底を這いつくばった一年でした。このblogもその産物です。2012年は少し上に行きたいもんですね。

2011年11月30日水曜日

【本】鉄の骨(池井戸潤)

直木賞作家池井戸潤さんの『鉄の骨』がようやく文庫化されましたので、読んでみました。ちなみに昨年夏にNHKでTVドラマ化されていて、その時から興味のあった小説です。
読後感を簡単に書いておくと、池井戸さんが本当に正しいこととは何かと葛藤しながら、立ち返るのはやはり公平公正な競争であったということだったのでしょう。「談合」という、一見業界全体を調整で救い共存共栄を目指していく日本特有の旧来からのシステムは、しがらみや利害関係、業界を守るためになかなか抜け出せないだけの悪しき風習であったようです。

この「談合」をテーマに主人公の平太が悩みながら沢山の人々とのかかわりの中で成長していくのがこの本のテーマだったようですが、社会人10年目の私にとっては、平太の先輩である西田吾郎の立ち振る舞いや仕事っぷり、考え方や発言にはっとさせられ、色々と振り返るきっかけになったのかと思います。
印象的だったのが、地下鉄工事発注のためのコストダウンが限界になりながら、さらなるコストダウンを他部署の部長から強要されたときに、彼ははじめこそ憎まれ口だけ言っていたのが突然理路整然とそのコストダウンの限界について説明し、更に誰もが納得せざるを得ないような対案を出してメンバー全員を納得させてしまったシーンです。仕事の中でできないことに対してああだこうだと言い訳がましく自己を正当化することは誰にでもあることだと思いますが、この西田はなぜダメか、そして代わりにどういう方法があるのかというところまで結論を出してしまうところがすごいのです。
実はこれは尾形常務の指示だったようですが、それを忠実にこなしてしまうあたりが、西田のTHEサラリーマンたる所以だと思います。

色々と思うところもありつつ、この本を読んでいてやはり感じてしまったのが、ゼネコン業界というのはやはり成熟している、そしてゼネコン構造と言われる我々のIT業界は未熟だなーということでした。コストに対する考え方や見積基準、設計手法や品質管理といった項目が非常に高い次元で標準化されているからこそ「入札」という制度が成り立つのであって、我々IT業界、特にソフトウェア業界ではこのレベルに達するにはあと何十年必要なのか途方に暮れてしまいます。ただし、このような状況が逆に言うとこの産業の繁栄につながるのかもしれません。今は何が正しいかわかりませんが、いつしか「談合」が悪いことであると誰もが認識できるような絶対的な基準が我々の業界にもできてくれればいいのに切に願います。そのためにはユーザー(発注者)側もITシステムというものに対して理解を深めるべきだと思うのです。

話は横道に逸れましたが、この『鉄の骨』はこのような性質の小説なので、『空飛ぶタイヤ』に比べて全体的に流れる後ろめたい空気感が世界観を作り出しています。そして、ひたすら純粋な平太やその世界に染まったと思わせる西田や他の登場人物も、その中で必死にもがいている姿がよく描かれている良作だと思います。仕事にもがき苦しんでいるサラリーマン(特に10年選手)は必読です。